支援活用事例
磐梯熱海温泉、知財防衛と地域ブランド構築へ ~「萩姫」商標出願と特産品開発を一体推進~
2026.07.15
事業者名:磐梯熱海温泉旅館協同組合
事業内容:観光案内窓口の対応・運営
温泉地のプロモーションおよび利用促進・誘致活動
所 在 地 :福島県郡山市熱海町熱海4丁目406
H P :https://www.bandaiatami.or.jp/
事業者概要
磐梯熱海温泉旅館協同組合は、開湯800年の歴史を持つ名湯の発展を目的に1971年に設立されました。同組合は、加盟旅館の案内や宿泊予約、観光誘致の総合窓口として機能しています。さらに、近年は災害時の連携型BCP(事業継続計画)を構築するなど、地域一体となった持続可能な観光振興を担っています。


特許等調査・出願経費助成事業費補助金について
本事業は、県内の中小企業者のみなさまの技術の進歩及び新事業の早期創出を図ることを目的に、国内において特許等の出願をする際に係る費用の一部を補助する事業です。

制度利用の背景や取り組み
福島県の奥座敷・磐梯熱海温泉旅館協同組合は、県の「特許等調査・出願経費助成事業」を活用し、地域に根付く「萩姫(はぎひめ)」の商標出願に踏み切りました。これは、開湯の象徴を法的保護に裏打ちされた「地域ブランド」へと格上げし、ビジネスとして発展させる試みです。
背景には、観光ニーズの多様化に対する危機感があります。また、従来の「宿泊・入浴」という体験に加えて、旅の感動を「持ち帰れる魅力」の創出が急務となっていました。そこで同組合は、地元珈琲店と連携したオリジナルブレンドの「ドリップバッグ」と、源泉成分を配合した「温泉石鹸」の開発に着手しました。販売先をあえて温泉地内の旅館などに限定し、リアルな温泉体験と一体化させることで、ブランドの希少価値を担保しています。
特筆すべきは、今回の商標出願が土産品の保護に留まらない点です。新商品の権利化と同時に、本業である宿泊・飲食・入浴サービス(第43類、第44類)の権利化も網羅しています。これにより模倣から地域遺産を守り、信頼の証となる基幹標識へと育てる狙いがあります。
今後は「萩姫」を総合ブランドとして体系化し、地域内経済の循環を加速させていく方針です。伝説という歴史に知的財産の防衛と異業種連携を織り込む温泉街の挑戦は、地方創生の新たな歩みを示しています。
≪関連リンク≫
萩姫伝説について(磐梯熱海旅館協同組合)
https://www.bandaiatami.or.jp/welcome/#hagihime

事業者の声
当組合では、地域に息づく萩姫伝説の名称を組合の管理のもとで広く活用するため、「萩姫」の商標出願と新たな地域産品の開発に挑戦いたしました。
日々の業務と並行しての準備でしたが、福島県発明協会の手厚いご助力や、弁理士・弁護士による無料相談窓口のおかげで、極めて円滑に手続きを進めることができました。
ブランドの第一歩となるお土産品には、地域の絆とこだわりを詰め込んだ珈琲と石鹸を選定しました。珈琲のドリップバッグは、地元の「ichinoichi coffee」と共同開発し、湯上りにふさわしいすっきりとした味わいのオリジナルブレンドに仕上げました。
「萩姫石鹸」は温泉との親和性に着目し、帝京安積高校の生徒たちとコラボレーションした産学連携の商品です。温泉成分と地元産ハチミツを配合し、北塩原村の「プリマリア」にて一つひとつ手作りされています。どちらも試行錯誤を重ねて完成した自信作です。
今後は商標「萩姫」を基盤に、ブランド価値を守りながら商品を拡充し、磐梯熱海温泉をさらに盛り上げてまいります。
これから商標出願をされる皆様、課題に直面した際は福島県発明協会、福島県産業振興センターなどの支援機関へ相談することをお勧めします。また、予算に限りのある組合にとって、出願経費などの補助金制度は大変ありがたいものです。諦めずに補助金を有効活用し、組合員みんなの資産となるブランドを守る一歩を踏み出してください。
問い合わせ先
技術支援部技術総務課
TEL:024-959-1929
FAX:024-959-1889
E-mail:f-tech@f-open.or.jp




